理不尽な主張・要求を強引に通そうとして、他の相続人を困らせている相続人がいる。
相手方の身勝手な主張・要求を拒否していたら、家に怒鳴り込まれたり、何度も電話を掛けられたりして、対応に困っている。
強硬な主張・要求を繰り返す相続人がいるために、遺産分割の話し合いがなかなか進められない。

強硬な主張・要求をしてくる相続人がいるために、遺産分割の話し合いがまとまらないというケースは多く見られます。
このページでは、遺産分割において強硬な主張・要求をしてくる相続人がいる場合の対処法について、ご説明させていただきます。

特定の相続人だけが権利・利益を独占することはできません

法律上、各相続人には法定相続分が定められており、遺産分割において特定の相続人だけが権利・利益を独占することはできません。
相手方の強硬な主張・要求に屈することなく、ご自身の取り分をしっかりと主張していくことにより、ご自身の権利・利益を守れる可能性が高いです。
一方で、主張・要求が強硬な相続人を相手に遺産分割の交渉を行うことは、ストレスやプレッシャーが大きいことと存じます。
対応に苦慮している場合には、弁護士に遺産分割の手続をご依頼されることをお勧めいたします。

遺産相続の割合を取り決める流れ

遺産相続の割合を取り決める遺産分割の流れは、次のとおりとなります。

①遺産分割協議
②遺産分割調停
③遺産分割審判

①遺産分割協議

遺産分割協議は、遺産相続の割合を取り決めるための相続人同士の話し合いです。
相続人全員の合意がなければ、遺産分割協議を成立させることはできません。
話し合いがまとまれば、合意内容を記載した遺産分割協議書を作成します。
相続人同士で揉めそうであれば、専門家である弁護士に対応をご依頼いただくことをお勧めいたします。
強硬な主張・要求をしてくる相続人がいる場合には、相続人同士で揉めてしまうのが通常です。

②遺産分割調停

遺産分割協議がまとまらなければ、家庭裁判所で遺産分割調停を行います。
遺産分割調停は、調停委員の仲介のもとに相続人同士で話し合いをし、合意形成を目指す手続です。
遺産分割調停でも、相続人全員の合意がなければ、調停を成立させることができません。
調停が成立すれば、家庭裁判所により合意内容を記載した調停調書が作成・交付されます。
調停を有利に進めるためには、法的な主張を的確に構成すること、その主張を裏付ける証拠資料を提出することが重要です。
法的な知識・経験がなければ対応が難しいですし、調停委員を介した交渉も簡単なことではありませんので、弁護士を付けて手続に対応するのがよいでしょう。

③遺産分割審判

遺産分割調停がまとまらなければ、遺産分割審判の手続に移行します。
遺産分割審判では、裁判官が各相続人の主張や証拠資料を踏まえて、遺産分割の方法を指定する審判を下します。
遺産分割審判の手続では、法的主張の構成が重要となります。
法律の専門家である弁護士のサポートを受けることをお勧めいたします。

強硬な主張・要求をしてくる相続人がいる場合の対処法

遺産分割において、強硬な主張・要求をしてくる相続人がいる場合には、次のような対処をするようにしましょう。

ご自身の権利・利益(取り分)を主張すること

ご自身の取り分を守るためには、強硬な主張・要求に屈してしまってはいけません。
一旦、理不尽な内容の遺産分割協議書にサインをしたり、要求されるままに相続放棄の手続をとったりしてしまうと、以降、ご自身の取り分を主張することはできなくなるのが原則です。
そのため、ご自身の権利・利益(取り分)をしっかりと主張していくことが必要です。

弁護士に依頼して対処すること

強硬な主張・要求をしてくる相続人は、ご自身の権利・利益(取り分)を主張しても、なかなか聞く耳を持たないことが多いです。
そこで、そのような場合には、弁護士に遺産分割の交渉をご依頼いただくことをお勧めいたします。
法律の専門家である弁護士が説得することにより、適正な解決が可能となることも多いものです。
また、相手方が理不尽な主張・要求を繰り返す場合には、毅然とした態度で臨む必要があります。
しかし、相手方の身勝手な主張・要求を拒否していると、家に怒鳴り込まれたり、何度も電話を掛けられたりする事案もあり、ご自身で対応することには大きなストレスやプレッシャーが伴うことと存じます。
安心して遺産分割を進めるためには、弁護士を立てて対処するのがよいでしょう。

弁護士に対応を依頼するメリット

遺産分割は、法的な知識と経験がなければ、適正な解決を図ることは困難です。
この点、法律の専門家である弁護士に対応を依頼すれば、ご自身の正当な権利・利益を守り、適正な解決を図ることが期待できます。
また、弁護士に交渉窓口を一任できることも大きなメリットです。
ご自身だけで遺産分割の交渉を行うとなれば、ストレスやプレッシャーが大きいことでしょう。
弁護士に対応を依頼すれば、相手方と直接やり取りをする必要がなくなりますので、ストレスやプレッシャーを大幅に軽減することができます。

弁護士にご相談ください

遺産分割において、強硬な主張・要求をしてくる相続人がいる場合の対処についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、当事務所にご相談ください。
当事務所では、これまでに、相続問題に関するご相談・ご依頼を数多く取り扱って参りました。
強硬な主張・要求をしてくる相続人がいる事案の対応経験も豊富にございます。
ぜひ一度、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。

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