遺言書を作成する際には、相続人間で遺留分減殺請求を巡る争いが発生しないように、十分な配慮をすることが大切です。

遺言書では、自由に遺産を処分することが可能です。しかし、相続人間で相続させる遺産に偏りがある場合などには、遺留分の侵害が発生しているおそれがあります。そうなると、相続人間で、将来的に遺留分の争いが起こる可能性が否定できません。

遺留分減殺請求を巡る相続人同士の争いを回避するためには、遺言書を作成するに当たって、各相続人の遺留分を侵害しないように遺産を配分するといった対応が極めて有効です。例えば、家業を継ぐ長男に多くの遺産を相続させるとしても、他の子たちに対しても、遺留分を下回らない程度の遺産を割り当てる内容の遺言書とすることで、将来の遺留分争いを防止することができます。

遺言書は、本来、遺産相続を巡る相続人間のトラブルを防止する目的で作成されるものであるはずです。しかし、遺言書の内容次第では、相続人間で遺留分を巡る紛争が発生し、深刻なトラブルに発展してしまうことが考えられます。遺言書を作成する以上は、このような事態は絶対に避けたいところです。

この点、遺留分減殺請求の行使を抑止することを期待して、遺言書に「遺留分減殺請求はしないようにして欲しい」といった希望を記載する手法も考えられるところです。そして、こうした希望と合わせて、遺留分減殺請求の行使が妥当ではない理由(例えば、遺産が形成された要因が特定の相続人の多大な貢献にあるような事情など)を付記することで、一定の抑止力が期待できるでしょう。しかし、こうした記載は、あくまで遺言書の作成者の希望を表明するものに過ぎず、法的な強制力はありませんので、絶対的な安心材料とはなりません。

一方、被相続人の生前のうちに、相続人に遺留分を放棄してもらう方法も有効です。遺留分の放棄においては、その相続人が遺留分の放棄に同意していることを前提に、家庭裁判所の許可を受ける必要があります。
>>>遺留分の放棄について

以上のように、遺留分減殺請求を巡る相続人間の争いを防ぐためには、遺言書の作成に当たって、十分な配慮をすることが大切です。将来の相続人間の紛争を防止するためにも、相続問題に精通した弁護士に、お早めに生前対策のご相談をされることをお勧めいたします。

遺留分についてはこちらもご覧ください

●遺留分と遺留分減殺請求
●遺留分減殺請求するには
●遺留分減殺請求をされたら
●遺留分の権利者は誰か
●遺留分の割合
●遺留分の算定
●遺留分減殺請求の手続
●遺留分減殺請求の期限
●遺留分の権利者でなくなる場合
●価額弁償について
●遺留分の放棄について
●遺留分の争いを防止する方法
●遺留分の譲渡