相続開始前(被相続人の生前)の遺留分の譲渡

遺留分の権利は、財産的な権利の一つです。そこで、遺留分の権利を他者に譲渡できるのかという問題があります。まず、被相続人の生前の場合は、どうでしょうか?

遺留分の権利は、被相続人が死亡することによって初めて発生するものであると考えられています。したがって、被相続人の生前に遺留分の譲渡をすることはできません。

相続開始後(被相続人の死後)の遺留分の譲渡

これに対し、被相続人の死亡後は、遺留分を譲渡することが可能となります。

遺留分減殺請求の意思表示を行う前の段階では、財産権としての遺留分減殺請求権を譲渡する形を取ることとなります。これに対し、遺留分減殺請求の意思表示をした後の段階では、その意思表示の結果取得した預貯金・不動産・有価証券・動産などの個々の財産の持分を譲渡する形を取ることとなります。

しかし、現実的には、被相続人の生前の財産状況が十分に把握できているのか、財産の価格をどのように評価するのか、実際にどの程度の割合で減殺請求ができるのかなど、非常に判断しにくい問題が多々あり、譲渡額の算定は困難であるのが通常です。したがって、実際上は、遺留分の譲渡が行われるケースは少ないと言えるでしょう。

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