はじめに

預金の使い込み問題においては、請求を受けた側からの様々な反論が考えられます。
このページでは、預金の使い込み問題における主な反論・争点について、どのように考えていくべきかをご説明させていただきます。

よくある争点1「被相続人に頼まれて払い戻し、被相続人に渡した」

請求を受けた側から、「被相続人に頼まれて払い戻し、被相続人に渡した」という反論が出されるケースはよくあります。
このような反論が通るかどうかについては、被相続人の財産管理能力、被相続人の生活状況、払い戻した金額、払戻しを頼まれるに至った経緯、払い戻した預金の用途に関する被相続人の説明の有無・内容、被相続人と払い戻した者との関係性などを考慮し、自然・合理的と言えるかどうかを検討していくこととなるでしょう。
例えば、被相続人が認知症で財産管理能力がないにもかかわらず、多額の預金を払い戻して被相続人に渡し、用途についてまったく関知しないというのであれば、意味が通らないということになるでしょう。

よくある争点2「被相続人の承諾を得て払い戻し、贈与を受けたものである」

請求を受けた側から、「被相続人の承諾を得て払い戻し、贈与を受けたものである」という反論が出されるケースは多く見られます。
このような反論が通るかどうかについては、被相続人の当時の認知能力、被相続人と払い戻した者との関係性、贈与を受けたとする金額などからして、果たしてそのような贈与をすることが自然・合理的と言えるかどうかが問われることとなるでしょう。
例えば、被相続人が認知症で判断能力が相当減退している状況で、多額の預金を継続的に払い戻して取得しているような状況について、贈与を受けたものであると説明しても、通常は通らないでしょう。

よくある争点3「払い戻した預金は、被相続人の生活費や医療費などにあてた」

請求を受けた側から、「払い戻した預金は、被相続人の生活費や医療費などにあてた」という反論が出されるケースもよく見受けられます。
このような反論が通るかどうかについては、払い戻した金額、被相続人の生活費・医療費として合理的に必要と認められる金額、被相続人の年金などの収入の有無・金額などを踏まえて、自然・合理的な説明と言えるかどうかで判断されることとなるでしょう。
例えば、被相続人に年金などの収入がないという状況で、被相続人が入居する施設に月額10万円程度の費用を支払っていたことを裏付ける領収証・明細書があるのであれば、通常は反論が通るだろうと思われます。
ただし、生活費・医療費として合理的に必要と認められる金額を超える預金の払戻を行っていたのであれば、合理的金額を超える部分は返還するべきであるという結論となるでしょう。

よくある争点4「払い戻した預金は、被相続人の葬儀費用にあてた」

請求を受けた側から、「払い戻した預金は、被相続人の葬儀費用にあてた」という反論が出されるケースもよくあります。
被相続人の葬儀費用を誰が負担するべきかについては、基本的には相続人同士で話し合って決めるべきものとされますが、話し合いがまとまらない場合には、最終的には裁判によって決着が図られることとなります。
この問題については、喪主が単独で負担するべきであるとする考え方や、相続人全員が平等に負担するべきであるとする考え方などがありますが、裁判では喪主が被相続人の葬儀費用を単独で負担するべきであると判断される傾向にあります。

弁護士にご相談ください

以上のように、預金の使い込み問題においては、様々な反論・争点が出てくることが想定されます。
また、以上のほかにも、様々な反論・争点があり得ます。
これらの争点に関しては、示談交渉や裁判において、法的な観点から適切な主張・立証を展開していくことが、適正な解決を得るために必要となります。
預金の使い込み問題は、非常に専門性が高く、複雑・困難な分野ですので、専門家である弁護士のサポートを受けられることをお勧めいたします。
預金の使い込み問題について対応実績のある八戸シティ法律事務所に、まずはお気軽にご相談いただければと存じます。

預金の使い込みについてはこちらもご覧下さい

●預金の使い込みについて(被相続人の生前の使い込み)
●預金を使い込んだとして請求を受けた方へ(被相続人の生前の使い込み)
●使い込まれた預金の返還を請求したい方へ(被相続人の生前の使い込み)
●使い込まれた預金の返還請求のために必要な調査(被相続人の生前の使い込み)
●預金の使い込み問題における主な争点(被相続人の生前の使い込み)
●被相続人の死亡後の預金払戻について