1 普通養子縁組と特別養子縁組

養子縁組とは、血縁関係とは無関係に法律上の親子関係を作り出す制度です。
養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。
【普通養子縁組】
普通養子縁組(民法792条以下)は、例えば、配偶者の連れ子を養子にするとか、子どものいない夫婦が親族を養子にするなど、珍しいものではありません。
普通養子縁組では、養子と養親との親子関係が新たに生じる一方で、実親との親子関係も存続します。
【特別養子縁組】
特別養子縁組(民法817条の2以下)は、経済的な困窮や虐待などの理由により、実親による養育が著しく困難または不適切である場合に、厳格な要件と手続のもとに行われます。
特別養子縁組では、養子と養親との親子関係が新たに生じ、実親との親子関係は終了します。
2 普通養子縁組において養子が死亡した場合
(1)配偶者、子
養子の配偶者は、常に相続人となります。
また、養子の子は、第1順位の相続人となります。
養子の子が先に死亡している場合には養子の孫が相続人となり、養子の孫も先に死亡している場合には養子のひ孫が相続人になる、という代襲相続が発生します。
(2)直系尊属
養子に子や孫がいない場合(全員先に死亡している場合を含む)には、養子の父母・祖父母などの直系尊属が第2順位で相続人となります。
普通養子縁組では、養親、実親ともに養子との親子関係にあるため、養親側の直系尊属、実親側の直系尊属ともに相続人となります。
(3)兄弟姉妹
養子の直系尊属も全員先に死亡している場合、兄弟姉妹が第3順位で相続人になります。
普通養子縁組では、実親側の兄弟姉妹、養親側の兄弟姉妹ともに相続人となります。
兄弟姉妹が先に死亡している場合には、その子である甥姪が相続人になるという代襲相続が発生します。
なお、兄弟姉妹の相続分は基本的に均等となりますが、片親のみが共通する兄弟姉妹の相続分は両親ともに共通する兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。
【設例】

被相続人は養父と普通養子縁組をしたものの、養父の配偶者とは養子縁組をしておらず、未婚であり、子がいなかったところ、実父、実母、養父が先に死亡しており、実親側の兄弟姉妹A、養父側の兄弟姉妹BとCが相続人となったとします。
この場合、実親側の兄弟姉妹Aは両親ともに共通するのに対し、養父側の兄弟姉妹BとCは片親のみが共通しています。
そのため、相続分はA:B:C=2:1:1となりますので、Aの相続分は1/2、Bの相続分は1/4、Cの相続分は1/4となります。
3 特別養子縁組において養子が死亡した場合
(1)配偶者、子
養子の配偶者が常に相続人となること、養子の子が第1順位の相続人となること、代襲相続について、普通養子縁組の場合と同様です。
(2)親
養子に子や孫がいない場合(全員が先に死亡している場合を含む)には、養子の直系尊属が第2順位で相続人となります。
ただし、特別養子縁組により、養子と実親との親子関係は終了します。
そのため、養親側の直系尊属は相続人となりますが、実親側の直系尊属は相続人にはなりません。
(3)兄弟姉妹
養子の直系尊属も全員先に死亡している場合、兄弟姉妹が第3順位で相続人になります。
ただし、特別養子縁組により、実親側の兄弟姉妹との関係も終了します。
そのため、養親側の兄弟姉妹は相続人となりますが、実親側の兄弟姉妹は相続人にはなりません。
なお、養親側の兄弟姉妹が先に死亡している場合には、その子である甥姪が相続人になるという代襲相続が発生します。
4 養子の子は代襲相続人になれるか?
養子が養親よりも先に死亡し、その後に養親が死亡した場合、養子の子は養子に代わって養親の遺産を代襲相続できるか?という問題があります。
この問題については、以下の関連Q&Aの中で解説しておりますので、参照いただければと存じます。
【関連Q&A】
●養子や養子の子は代襲相続人になれますか?











