次のような要件を満たす場合には、寄与分が認められます。
①相続人による家業従事があったこと
②労務の内容が相当の負担を要するものであること
③労務の提供が一定以上の期間に及んでいること
④家業従事が無償あるいはそれに近い状態で行われていること
⑤家業従事により、財産が形成・維持されたこと
①相続人による家業従事があったこと
相続人が、被相続人の営む家業に従事したことが必要です。
②労務の内容が相当の負担を要するものであること
労務の内容が片手間程度ではなく、かなりの負担を要するものであることが条件です。
ただし、必ずしも専業でなければならないというわけではありません。
③労務の提供が一定以上の期間に及んでいること
一般的には3~4年以上の期間が必要と考えられます(個別の事案ごとの判断となります)。
④家業従事が無償あるいはそれに近い状態で行われていること
完全に無償である必要はないものの、通常の給料水準と同等の給料の支払を受けていれば、寄与分は認められません。
しかし、世間一般的な労務報酬と比較して著しく少額なのであれば、無償に近いものと評価されるでしょう。
⑤家業従事により、財産が形成・維持されたこと
相続人による家業従事の結果、被相続人の財産が形成・維持されたと言えることが条件です。