次のような要件を満たす場合には、寄与分が認められます。

①相続人による介護が行われたこと
②被相続人が介護を要する状態であったこと
③介護の内容が相当の負担を要するものであること
④介護が長期間継続していること
⑤介護が無償あるいはそれに近い状態で行われていること
⑥相続人による介護の結果、介護費の支出を免れ、被相続人の財産が維持されたこと

①相続人による介護が行われたこと

相続人による介護が行われたことが必要です。
病院に入院・施設に入居していた時期は、医師の指示等により付添看護をしたような場合を除き、基本的には寄与分の対象にはなりません。

②被相続人が介護を要する状態であったこと

要介護2以上であることが目安です。
ただし、要介護認定は身体能力面を重視しています。
認知症などで常時監視が必要であるなど、要介護度だけでは判断できないこともあります。
そのような場合には、具体的事情をもとに判断するべきでしょう。

③介護の内容が相当の負担を要するものであること

片手間でできるような介護ではなく、かなりの負担を要する介護である必要があります。
同居する被相続人の食事を作る、病院への通院に付き添うなどの程度では、寄与分の対象にはなりません。

④介護が長期間継続していること

おおむね1年以上が目安ですが、要介護度の軽重等も含めて総合的に判断されます。

⑤介護が無償あるいはそれに近い状態で行われていること

介護の対価として相当の報酬を受け取っていたなどの事情があれば、寄与分の対象にはなりません。
ただし、介護の対価を受け取っていた場合であっても、通常の介護費用と比較して著しく少額なのであれば、無償に近いものと評価されるでしょう。

⑥相続人による介護の結果、介護費の支出を免れ、被相続人の財産が維持されたこと

寄与行為と財産の形成・維持との因果関係があることが条件です。
話し相手になるなどして被相続人を精神的に支えたとしても、それだけでは財産の形成・維持に繋がらないため、寄与分の対象にはなりません。