1 背景
70代の女性(依頼者)から、亡くなったお母様(被相続人)の遺産に関する遺留分侵害額の請求についてご相談をいただきました。
相続人は、他に依頼者の姉(相手方)と妹がいましたが、被相続人は、すべての財産を相手方に単独相続させるという内容の遺言書(公正証書)を作成していました。
そして、今般、遺言執行者から通知書が届いたので、どのようにしたらよいか分からないということでご相談をいただきました。
また、依頼者は被相続人と離れて暮らしていたため、被相続人の財産状況については分からないとのことでした。
当事務所の弁護士は、依頼者には相手方に対し、遺留分侵害額請求をすることができることを説明したところ、相手方への対応について自信がないとのことで、当事務所にご依頼いただくことになりました。

2 当事務所の活動と結果
まず、当事務所の弁護士は、通知書に同封されている財産目録をもとに、財産に漏れがないか調査しました。
その調査を踏まえ、相手方に対し、被相続人が4億6000万円余りの財産を有していること、相続人の法定相続分は3分の1であるため、遺言書により遺留分が侵害されており、その額が6分の1である7600万円余りに達しているため、その支払いを求める旨の内容証明郵便を発送しました。
これに対し、相手方は弁護士を立て、当初、未だ遺言執行が未了であるため、回答の猶予を願い出てきました。
もっとも、遺言執行者からは、別途、遺言執行が完了した旨の通知を受けていたにもかかわらず、いつまで経っても音沙汰がないことから、当事務所の弁護士は相手の弁護士に回答を催促しました。
そうしたところ、相手方弁護士から、遺言執行に要した経費等を差し引いた金額であれば、当方の請求に基本的には応じる旨の回答を受けました。
それを踏まえ、依頼人とともに相手方の提示内容を精査した結果、この内容で問題ないという結論に至りました。
その結果、依頼からわずか3カ月で、相手方が依頼人に対し、7600万円余りを支払うという内容の合意をすることができました。
3 所感
本件のように、被相続人が特定の相続人にのみ相続させる旨の遺言書を作成することは珍しくありません。
特に、相続人が複数いる場合であっても、被相続人の近くに住んでいる相続人に相続させる旨の遺言書を作成することが多いように見受けられます(実際に、本件もそうでした)。
このような場合、他の相続人は遺留分として、一定割合の遺産相当額を請求することができます。
本件では、相手方からの支払額が多額であったことから、支払いを渋る可能性も懸念されましたが、遺言執行の比較的早い段階でご依頼いただいたことから、スピード解決に至ったものと考えております。









