1 背景
80代の女性(依頼者)から、亡くなった夫(被相続人)の遺産分割について、ご相談いただきました。
法定相続人は、依頼者のほかに、被相続人の兄弟姉妹・甥・姪が19名(相手方)いました。
遺産は、預貯金、不動産の合計約3280万円でした。
依頼者は、遺産の取得希望者がいれば、法定相続分を分配するご意向でした。
しかし、相手方が19名と多数にのぼり、疎遠な関係の人もいるため、弁護士に手続を任せたいとのことで、当事務所にご相談・ご依頼いただきました。
2 当事務所の活動と結果
当事務所の弁護士は、ご依頼のあと、被相続人名義の預貯金と不動産を調査し、所在と残高・評価額を特定しました。
そのうえで、当事務所の弁護士は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。
法定相続人が多数にのぼるため、遺産分割協議をやってみるよりも、遺産分割調停を利用した方が早期解決を期待できる判断し、遺産分割調停の選択となりました。
遺産分割調停では、法定相続人の多くが相続分を放棄し、または他の法定相続人に相続分を譲渡したことにより、遺産を取得する相続人が数名に絞られました。
そして、残った相続人全員が相続分の放棄・譲渡を反映した相続分に従って遺産分割をすることに合意し、家庭裁判所から合意内容を反映した調停に代わる審判が出されました。
2週間後、調停に代わる審判が確定し(調停に代わる審判は、2週間以内に当事者から異議申立てがなければ、確定となります)、依頼者は約2930万円の遺産を獲得することができました。
3 所感
被相続人の兄弟姉妹・甥・姪が法定相続人となる場合、法定相続人の人数が多数にのぼることが少なくありません。
このような場合、法定相続人全員を特定するための戸籍謄本類の取得等の調査が煩雑なものとなり、法定相続人全員の合意形成も容易ではありません。
しかし、このような場合でも、遺産分割を得意とする弁護士にご相談・ご依頼いただくことにより、お客様のご負担を大幅に軽減し、円滑な解決を図ることが期待できます。
法定相続人が多数の遺産分割についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。