1 背景

70代の男性(依頼者)から、亡くなった姉(被相続人)の遺産に関してご相談をいただきました。
被相続人には、相続人として孫が4人いました(被相続人の子はすでに死亡)。
もっとも、被相続人は、孫らとは疎遠となっていました。
一方で、依頼者は、被相続人とともに被相続人名義の不動産に居住し、被相続人の病院代として140万円以上を立て替えていました。
なお、被相続人の財産は不動産のみであり、預貯金はほとんど存在しない状況でした。

このような状況を踏まえ、依頼者は立替費用については自分で負担するのは構わないが、その代わりに被相続人名義の不動産を自分のものにしたいというご意向でした。
しかし、依頼者自身も孫らとは疎遠であるため、孫らとの間で交渉をする自信がないとのことでしたので、孫らとの交渉及びその後の遺産分割協議について、当事務所にご依頼いただきました。
なお、被相続人には、依頼者を含め6人の兄弟姉妹と姪がいますが、その全員が依頼者の意向に賛成しているとのことでした。

2 当事務所の活動と結果

まず、当事務所の弁護士は、第1順位の相続人である被相続人の孫ら4人に対し、依頼者の立替費用を支払っていただくか、それとも相続放棄していただくか、いずれかの対応をしていただきたい旨の意向確認の連絡をしました。
これに対して、ほどなく一部の孫から、4人全員で相続放棄をする旨の回答をいただき、その後、実際に4人全員が相続放棄しました。

これを踏まえ、次に当事務所の弁護士は、依頼者の兄弟姉妹と姪に対し、依頼者が被相続人の財産を単独相続したい旨の連絡をするとともに、同内容の遺産分割協議書を郵送しました。
そして、兄弟姉妹と姪の全員から遺産分割協議書の作成に協力を得ることができました。
以上の結果、依頼者は、被相続人の不動産を単独相続することができました。

3 所感

被相続人が自分の子や孫よりも、自分の兄弟姉妹と親密であることは珍しくありません。
このような場合、兄弟姉妹が、被相続人が支払うべき金銭の立替をしていることなどもあるでしょう。
そのため、本件の依頼者のように、兄弟姉妹の遺産の相続を希望されることはごく自然なことと思われます。

ただし、いかに兄弟姉妹の方が親密であったとしても、先順位である相続人の子や孫が相続を希望する場合には、別途、交渉する必要があります。
しかし、疎遠になっている被相続人の子や孫と交渉をしていくことの心理的ハードルは、高いのが一般的です。

このような場合には、相続に強い弁護士に相談・依頼をして、対応を任せることをおすすめします。
本件では、被相続人の孫らが全員相続放棄し、依頼者の兄弟も依頼者に協力的であったことから、スムーズに解決に至りました。

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