1 背景

被相続人が死亡し、相続人は被相続人の長男(すでに死亡)の子、被相続人の長女、被相続人の二男の3名でした。
被相続人の長男の子と被相続人の二男との関係が悪く、祭祀財産の承継などをめぐって紛争が生じているとのことで、被相続人の長男の子からご相談いただきました。

相談者は、現在は遠方にお住まいですが、将来的には帰郷してくる予定であり、被相続人とその長男が眠る墓に自分も将来埋葬されることを確保したいとのお考えでした。
しかし、相談者は、被相続人の二男との関係が悪く、その期待が実現されないことを心配していらっしゃいました。
話し合いによる解決も困難な状況であったため、祭祀財産承継者指定調停による解決をご依頼いただきました。

2 当事務所の活動と結果

当事務所の弁護士は、速やかに、被相続人の長女および被相続人の二男を相手方として、祭祀財産承継者指定調停を申し立てました。
すると、被相続人の長女および被相続人の二男も弁護士に依頼して、調停に臨んできました。

当事務所の弁護士は、依頼者のご意向をお聞きしながら、調停期日および期日間で相手方らとの調整を重ねていきました。
そして、最終的に、墓の承継者を近場に住む被相続人の二男と指定しつつ、申立人が被相続人らの眠る墓に埋葬されることを、相手方らが拒否しないことを確約するなどの内容での合意を成立させました。
こうして、依頼者が心配されていたことを解消する内容での調停成立に成功しました。

3 所感

墓や仏壇などの祭祀財産の承継は、遺産分割の協議や調停の中で話し合いがまとまらないときは、遺産分割とは切り離して、別途、祭祀財産承継者指定調停を申し立てて解決を図ることになります。
墓や仏壇の帰属・取扱いの問題は、時に相続人間の深刻な対立を生む場合もあります。
祭祀財産の承継について相続人同士で揉めた場合には、早めに専門家である弁護士にご相談いただければと存じます。

4 お客様の声

気持ちの整理にまだ少し時間がかかるようですが、法的にできることの最善の方法を示し、力添えして頂いたことに、感謝しております。
ありがとうございました。
解決事例9
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